かわいひでとし日記
令和5年7月13日      夏休みの読書      学力と教養、考えと実際、の違い
  
時間が有る時、本を読みましょう。

昔から大人たちが若いもんに向かって「本を読め」と言い続けているのは、

やっぱり確かな理由が有る。

本を読むのは非常に非常に有効なトレーニングです。

思考を継続するトレーニングです。

また、実際には体験出来ない事を疑似体験出来る機会でも有ります。

自分はもちろん戦後生まれですが、高校生くらいの頃からずっと、

先の大戦に関する本をたくさん読みました。

一般庶民から見た戦争であったり、指導者から見た戦争であったり、

科学技術から見た戦争であったり、政治としての戦争であったり、

実際の戦闘としての戦争であったり、人間の運命や生き方に関する戦争であったり、

色々な面から戦争に関する本を読みました。

なので、8月15日になると、あの日の事を「思い出す」のです。

あの日は暑かった。

学校に行くと、今日はお昼から大事な放送が有るから

全員ラジオの前に集まる様に言われた時、

「ああ、そうか、とうとう戦争に負けたのだな、、」

と思ったその瞬間まで思い出す事が出来ます。

勿論これは自分が実際に体験した訳ではなく、色々な本を読むうちに、

自分の中に「記憶」が出来上がったのです。

あの戦争の本を色々と読んでいると、当時も今も、

日本は同じことをやっているのだと感じます。

官僚が自分の出世やメンツの為にだけ仕事をして、国を滅ぼしました。

陸軍と海軍は対立ばかりして、協力して戦う事をしなかった。

今でもまったく霞が関では同じことをやっています。

同じ役所の中でも、課が違えば全くの別会社の様な効率の悪い仕事をしています。

主力空母4隻を一気に失ってしまったミッドウェー海戦では、

圧倒的な戦力と圧倒的な技量を有していたにも関わらず、

応急修理したヨボヨボのアメリカ空母一隻に全てやられてしまった。

つきつめると、利根という巡洋艦のカタパルトが故障して、

偵察機の発進が30分遅れた事が全ての原因でした。

うわぁ、なんつうことをやってしまったのか、と思いました。

大型正規空母を一度に4隻も失ってしまったのは、とてつもない事です。

それは指揮官から一兵卒に至るまで、一人ひとりの判断がほんの少しずつ、

ちょっとずつズレたものが重なって膨らんで、大きな失態になってしまったのです。

こういう事を学ぶのは、いわゆる「現場感覚」を養う事になります。

図上演習では再現できない、机上の空論では気が付かない

具体的で現実的な思考というものは、

会社を経営したり、政治をしたりする上で必要な事です。

こういうことを疑似体験できるのは、映画でも教科書でもなく、

色々な本を読む事の積み重ねです。

この辺が「学力」と「教養」の違いだと思います。

「学力」などではなく、「教養」を身につけましょう。


「立候補年齢の引き下げ求め、10~20代が提訴」 というニュースが有ります。

それに対する大人たちの意見としては、

若者はもうちょっと経験を積んでからにするべき、というものが有ります。

これは若者にとっては理解しがたい事だろうと思います。

けれど、実際の経験を積んでいるか積んでいないかの違いは、

頭で考えるほど少なくは有りません。

非常に大きな違いです。

ただ、これを若者に言ったところで、理解は出来ないだろうと思います。

なぜなら、実際の経験が不足しているからです。

年を食っていれば良い訳ではなく、人それぞれの資質に関する事では有りますが、

大まかな話としては、経験不足というのは結構致命的な事だと思います。

立候補年齢を引き下げる事に特に反対はしませんが、

それに対する「経験不足」という反論には一理有る、という事です。

親や先生や大人たちが若者に対して言う事を、

「うるせーなぁ」としか思えないのは経験不足だからです。


そんな訳で、若者は特に、本をたくさん読むことが必要です。

夏休みなど、時間が有るのであれば本を読みましょう。

本を読むというのは思考を継続するトレーニングです。

実際にやるとどうなるか、考える力を養うトレーニングです。


人間は何千年もずっと同じ様な事を繰り返していて、なかなか進歩しません。

1000年前の出来事であっても、現在に生きる人間の教訓になります。

昔と今は違うよ、と言うけれど、昔も今も人間はたいして変わって居ません。

むしろ、昔の人達のほうが今よりずっと賢明で優れていたと思います。

ということで、特に読むべきは歴史関連の本です。

どうしてそんな事をしてしまったのか、どうして失敗したのか、

実際に疑似体験する事で得られるものはとても大きいはずです。


夏休みにお勧めする、とりあえずの一冊は「新版 日本国紀」です。

特に下巻をお勧めします。

(上巻は江戸末期まで、下巻は江戸末期から現代まで)

長い歴史をぎゅっと凝縮して書かれているので、一行読んでは考え、

一行読んでは他の資料を読んでみる、

教科書で習った歴史の知識ではとてもカバーできない色々は本を読む必要が出てきます。

ゆっくり考えながら読む事をお勧めします。

[新版]日本国紀〈下〉 (幻冬舎文庫)  825円






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