人間の土地    サン・テグジュペリ
サン・テグジュペリ
ningennototi.jpg
サン・テグジュペリ 「人間の土地」

自分にとって、一番大切な本、

男の生き方の教科書の様な本です。


サン・テグジュペリの代表作といえば「星の王子様」だと思われているが、それよりも何よりも、この「人間の土地」ではないだろうか。

非常に読みにくい本だとは思うが、ぜひおすすめしたい本です。

人間にとって大切なのは、知識を得ることよりも、思う事。

自分や、自分たちを具体的に考え、それをさらに抽象的に考える事ではないだろうか。


一言で言ってしまえば、人間のある美質について書いた本です。
イメージとしては、口数は少ないけど強い意志や優しい気持ちを持った男、そんなことになるのかな、、。

とてもとっつきにくい本なんで、なかなか読めないみたいなんですが、130ページくらいのところの「砂漠のまんなかで」という章から読むと、世界に入り込みやすいと思います。


この本から抜粋した、カワイ制作の動画が有ります ぜひどうぞ

砂漠の真ん中で (quicca.com)


カワイが書いた関連する文章はこちら

サン・テグジュペリの「美質」

ダイバーらしい仕事&なんでダイバーがこんな仕事するんだよな仕事


たちの悪い嵐

『精神の風が粘土の上を吹いてこそ、人間は創られる』


実年齢?

永遠の一瞬

航空機事故


新しい世界へ踏み出す若い人へ

彼がサハラ砂漠に不時着して、水も食料も無く、これはもう助からないと思いながら砂漠をさまよった時の事について書いていた言葉だ。

「ぼくは、絶望のどん底に達したと信じていた、ことろが、一度諦めてしまうと、ぼくは、平和を知った。どうやら、あのような危急存亡の時機に、人は己の真の姿を見いだし、また自分自身の友になるものらしい。ぼくらの中に、それまで知られずにあった、何とも知れないある本質的な欲求をみたしてくれる、あの充実感には、何ものもまさりえまい。(中略)
僕自身にしても、どうして忘れられよう、首まで砂に埋もれ、じわじわと、渇きに喉を締め付けられながら、あの星の外套の下で、あんなに心が暖かかった時のことを」


 りゅうのすけが死ぬ事を毎日、一日一度は考える。
りゅうは何年生きてくれるんだろう、死んだらお葬式をしてお墓に入れよう。
手の中で固くなったりゅうのすけの身体、、、。
毎日りゅうの死を恐れながら生きているみたいだ。
シマリスの寿命は5年から8年だそうだ。あと2年から5年、、、。
最初から解っている事だけれど、毎日どきどきしてしまう。

愛する人と自分、どっちが先に死んで欲しいですか?
愛する人に先立たれるのは辛いけれど、愛する人を残して自分が死ぬ辛さを考えたら、やはり愛する人には先に死んでもらいたいと思う。

ましてやりゅうのすけはシマリスで、自分が先になんて、死んでも死にきれないよね。

サンテグジュペリが砂漠で遭難した時、一番辛かった事は、暑い事でも、水が飲みたい事でも、もうすぐ自分が死ぬかもしれない事でも無く、家族や友人が心配している事だった。
きっとまだ、どこかで生きていてくれると思っているだろう家族や友人たち。
その人たちに向かって、僕は生きているよ!心配しなくてもいいんだよ!と伝えたくても伝えられず、砂漠の真ん中でぼろぼろになって歩いている。
自分が死ぬ事なんてなんともない。だけど、あの人たちがかわいそうでかわいそうで、だから、僕は歩くんだ、彼らを助ける為に僕は歩くんだ、と彼は言った。

残された人がかわいそうでかわいそうで、とてもじゃないけど自分が先に死ねたもんじゃない。恐ろしくても悲しくても怖くても、やはり愛する人には自分より先に死んで貰いたいと思う。

 


新潮文庫 堀口大学 訳 「人間の土地」 

 

 

本棚 トップページへ




@kawaihidetoshi をフォロー

 

かわいひでとしホームページ

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
にほんブログ村