かわいひでとし日記
令和4年10月29日      日本語の表現      文化の多層性
  
日本語って豊かな言語だなあと思う。

といっても、外国語は得意ではないのだけれど、、、。

3種類も文字を使うのが素晴らしい。

そのむかし、中国大陸に有った夏という国が、近隣の国を平定し、漢字を与えた。

漢字は紙に書けば外国人でも意味が通じる。

しかし、発音はその国の発音で良い事になっている、というのが面白いし、素晴らしいと思う。

なので、日本人も漢字を拝借して、紙には漢文を書き、発音は日本語にしたわけだ。

この二重性がなんだか文化度を高めたのではないかと感じる。



「エアロビクス」という英語を日本語にすると「有酸素運動」になる。

けれど、日本語での使い分けがなんとも面白くて便利だ。

「有酸素運動」と言うとその運動全般を指す事になり、

「エアロビクス」と言うとスタジオでやるエクササイズの事を指す。

便利だなあと思う。

ちょっと前までの時代なら、同じ意味で色々な言葉が有るのは、

コンピューターとの相性が悪く、非合理的だと思われた面が有るけれど、

時代は進んで、コンピューターが優秀になったので、その心配も無くなった。


トマトソースとかウスターソースとか、あるいはテリヤキのタレ、

お好み焼きソース、天つゆ、など、これらは英語で言うと皆、ソースになってしまうが、

日本語だと、ソース、タレ、つゆ、などと使い分ける。

これが良いんじゃないかなあ、と思う。

すき焼きのソース、とか、天ぷらのソースとか言われても、

なんだか旨そうじゃないよねぇ。



若い頃、潜水夫(ダイバー)の仕事をしていた。

潜水夫というと、鉄のヘルメットを被って水に潜るイメージ、

ダイバーというとウェットスーツを着てボンベを背負うスタイルを思い浮かべる。

法的には「潜水士」と言う。潜水士免許を取得して仕事をします。


ダイバーの仕事の多くは工事関係。

ウェットスーツを着て、ボンベは背負わず、

陸上のコンプレッサーからホースでレギュレターまで空気を送るスタイルが多かった。

これなら何時間でも(水深も浅い)潜って作業をしていられる。

海や川などの水が有る所の工事現場で随分仕事をした。


船のクレーンから水中にワイヤーを垂らし、海底に有るものを吊り上げる、

というような事をする時、ダイバーが水上と水中を見ながらクレーンに指示をする。

この時使う言葉が「五平」と「白雪」。

工事現場に居る人は東北の人が多かった。

なので東北訛りの言葉が標準語みたいになっていた。

「五平」とは、どんどんわいあーを巻き上げろ、という時に使う。

「ごへー」、これは go ahead が東北弁に訛ったものだ。


「白雪」とは 東北弁訛りで「すらゆき」

ゆっくり、ちょっとずつ巻き上げろ、という意味。

slow などが訛ったもの。

工事現場では「五平」と「白雪」が標準語になっているのだ。

面白いですね。


チケットと切符を使い分ける、

インタビューと面接を使い分ける、

オーダーと注文、命令を使い分ける、などなどなど、、、。

こういうのって、いいなあと思う。


ただ、最近はそういうのがちょっと増えすぎた感も有る。

やれ、ガバナンスだ、エビデンスだ、コンセンサスだの、

ブレークスルーだ、プレゼンだ、コンプライアンスだ、なんだかんだと、

全部漢字の単語で言っても全然差し支えないと思えるものだよね。


日本に住んでいる英語ネイティブの外国人で、日本語ペラペラな人は、

とてもたくさん居る。

そういう人達の日本語を聞いていると、

ニューす とか エネルギーとか、ファーストとか、ちゃんとカタカナ発音で言うので、

なんか、すごいなあ、と思ってしまう。

英語というよりは日本語なんですね。



江戸時代末期、日本人がアメリカに渡った時に、たくさんのメモをとっていた。

これは英語ではこう言う、という様な事を律儀にメモしていたのだった。

その中に「綿芋いじるな」というのが有った。

「わたいもいじるな」。

これは何かというと、what time is it now なのだ。

ほわっとたいむいずいっとなう、ではなく、わたいもいじるな、と、

現地の発音に非常に近いメモを残している。

英語の授業で最初からこういう教え方をしてくれれば、

もうちっと喋れる様になったのではないかと思ってしまう。

面白いですねぇ。



英語圏の人が日本語を聞くと、音がなんだか理知的、聡明に聞こえるのだそうだ。

意味が全然解らない外国語を聞いて、なんだかバカっぽく感じたりする事も有るので、

日本語が賢く聞こえるのは嬉しいですね。




英語、えーご、悪戦苦闘

住めば都はるみ

Un Giapponese parla inglese

責任者の話し方

なぜ日本人は英語が苦手なのか?


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