かわいひでとし日記

 

 

 

 

 

 


 

令和2年9月26日.     サマーフェスティバル in 大阪     

                   最高のエンターテインメント


大変お世話になった人の息子さんがトラブルを起こしてしまい、彼をかくまう為に仲間たちが奔走するものがたり。

夏祭りの季節の大阪です。

彼をどこにかくまうか、という話になったとき、お辰さんという女性が、ぜひ、私のところに、と言います。

しかし、若い男を若い女の所にかくまうというのはどうもまずい、思案のほか、という事が起こりうるから、と、リーダー格のサブに言われてしまいます。

お辰さんはムっとします。

何を言ってるんですか、あほらしい、、。

いや、でも、あんたの顔には色気が有るからダメだよ、とサブは言います。

私が大変お世話になった人の息子さんです、私がお世話したいのです、と、お辰さんは頭に来てしまいます。

お辰さんは、部屋の片隅に有った火鉢に目をやります。

そこには鉄棒がかかっていて、熱くなっていました。

お辰さんはとっさに、ある決心をします。

すっと立ち上がって火鉢の所へ行き、熱くなった鉄の棒を取って、

顔に押し付けたのです。

顔はやけどで醜く傷ついてしまいます。

お辰さんは、きっぱりと言います。

サブさん、思案のほかというこの顔に傷つけました、これでも色気が有りますか?!

このやんちゃな若者たちの物語、実は、江戸時代に作られた若者たちのドラマです。

歌舞伎で演じられる「夏祭浪花鑑」(なつまつりなにわかがみ)という演目の1シーンです。

お辰さんが女の心意気を見せる、見せ場です。



18代目中村勘三郎さんが、ニューヨーク公演に選んだ演目でもあります。

このニューヨーク公演は地元のメディアに大絶賛されました。

劇評に辛口なニューヨークタイムスも、大絶賛でした。

「実際に火傷をしないまでも、女性ならこの気持ちが解るでしょう」と。

https://www.youtube.com/watch?v=dY2yQzxXBgU



歌舞伎という演劇は、堅苦しいものではありません。

まあ、中には眠くなってしまうものも有るには有るけれど、歌舞伎は庶民の為の演劇です。

これほど素晴らしい演劇は他には無い、世界一の演劇だ、という人も日本だけでなく外国の人でも言ってくれます。

日本で生まれたなら、一度は見ておいたほうが良いのではないでしょうか。


歌舞伎は演技を見るものだ、と良く言われます。

ストーリーを追って見るのではなく、味わう為に見るもの、なのではないでしょうか。

演技も様式的で、リアルな芝居では無いのです。だからこそ、見る者の頭の中で焦点を結ぶ、非常に高度な演劇です。

見たことが無い人はぜひ、見てみてください。

見る場合は、演目を選ぶ必要が有りますけどね、眠くなっちゃうやつだとあれなんで(笑)


歌舞伎を初めて見る人などは、セリフが聞き取れなかったりするものですが、よくよく聞いてみると聞こえてくるようになってきます。

歌舞伎が好きな人は、こういう見せ場のセリフを暗記していたりします。

「もし、サブさん、思案のほかというこの顔え、傷つけました、さ、これでも色気がござんすか~」なんて。

ストーリーが判った上で見ていると、義太夫(舞台の横でストーリーを語る)が何を言っているかも聞こえてきます。


初めて見る人は劇場で「イヤホンガイド」を利用しましょう。芝居を見ながらイヤホンで解説してくれます。

歌舞伎には時代劇(時代物)と現代劇(世話物)が有ります。

世話物は、江戸時代の現代劇です。そのほか、踊りや松羽目物(能を歌舞伎に移植したもの)も。

本当は歌舞伎を映像で見る事はお勧めできません。

やはり、ナマで見る華やかさは素晴らしく、映像とは大違いなのです。

映像で見ていると、退屈に感じてしまう部分も有ると思います。

歌舞伎座の贅沢な雰囲気も楽しく、是非リアルでご覧になる事をお勧めします。





仏壇の小引き出しの中に

江戸時代の人のセンスが良すぎる件

でかしゃった、でかしゃった、政岡の慟哭

お辻さんの決断

今けーったよ

歌舞伎の演目



 
 


 

 




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