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令和6年11月10日 舌禍 真意は何処に有るか |
日本保守党代表の百田尚樹さんの、あさ8での発言が、いわゆる「炎上」している。 https://youtu.be/8znKE_Sx0HI?t=4194 自分も番組を見ていたので、「言う必要の無い事まで言っちゃった」感がしたのは確かだ。 この発言をした時の話の内容は日本の少子化の問題で、出生率が低くなっている点だった。 出生率が低くなっている原因は経済的な原因など様々有って、そのうち、 女性の自己実現とか社会進出によって非婚化や、出産する年齢の高齢化などが論じられた。 そして、女性が出産出来るのは実際には、普通は35歳くらいまでで、 そのことがあまり周知されていないという事も論じられた。 40歳くらいに出産してしまうと様々なデメリットが有る。 要するに、子供を産むという事には時間制限が有る、という事だ。 そのことがあまり子供のころから教えられていない、という話だった。 けれど、大昔と違って今は、女性が大学に行ったり、社会進出したりなどで 非婚化や出産の遅れが生じているので、 もし少子化に対策をするとしたら社会構造を変えなくては無理が有る、という話だった。 それについて、「別にこれを良いと言っているのではないよ」と3回念を押した後に、 「これはむちゃくちゃやで、小説家のSFと考えてくださいよ」と前置きした上で、 例えば25歳を過ぎたら結婚してはいけない法律を作るとか、 女性は大学に行かせないとか、 という事を百田さんが言ったのだった。 これは3回念を押した上で言った事なので、別にそうしろと言っている訳でも無く、 それが良いと思っている訳でもない事は誰でも解ると思う。 そしてこれは少子化対策には社会構造を変えない事には無理が有る、という話の流れで、 例えばこうするとか、などの構造にしないと無理だよね、という話な訳だ。 ただ、その後、そのついでに、「30歳を超えたら子宮摘出手術をするとか」、と言った。 それには有本さんが「ちょっとやめなさい、こら」と言い、 いや、これはSFやで、と言う百田さんに、SFでもそれはいくらなんでも、 という事を言った、という番組の内容だった。 この話を全部聞いて居れば、「暴言」との批判は起こらないはずだろうと思う。 ただ、正直な感想として、特に3つ目の「子宮摘出」の事は 「言わなくても良い事まで言った」感は有ったのは確かだ。 まあ、なんというかちょっと子供の様な所が有る人なので、 勢いで、ついでに、言ってしまったのだろうと思う。 番組の引用が長くなってしまったが、確かに百田さんは言わなくても良い事まで 言う事が良く有るとは思う。 さてここが今日の論点なのだけれど、正直に何でも言うほうが良いのか、 言わない方が良いのか、という問題だ。 自分の意見として、世の中はもっとこうしたほうが良い、と思っている事で、 それには反対意見もたくさん有るだろうと思う様な事を、 反対されるから言わない方が良いと思って、言わないのと、 それでも言うのと、どちらが価値が有るだろうか、という問題だ。 ガリレオが「それでも地球は回っている」と言ったのは勇気の有る発言だった。 という事を考えて見ると、結構難しい問題だろうと思う。 ずっと大人の対応だけで、バカ正直な事は言わないままで良いのかどうか、という事だ。 自分も、思ってはいるが、実際には口に出して言わない事、というのはいくつか有る。 こういう話の流れなので書いておくと、 「優生保護法」の様なものは実際には必要なのではないか、 と思う事が良く有る、という事。 「バカじゃないのかね」と思う様な犯罪をする人間が居たり、 政治や選挙などを見ていて、つくづく「衆愚政治」だと感じたりする事が有るからだ。 なるべく知能が高い人間ばかりになる様に対策をとれたら良いだろうな、 と思ったりするからだ。 (そのついでに「学力」とか「学歴」などというものよりも 「教養」を高めるべきだとも思う) 優生保護法の様なものを作ったほうが良い、というのはやっぱり実際には口に出してはなかなか言えない事だ。 優生保護法による被害者が裁判で勝訴したという報道が有ったばかりだ。 ただ実際にはアホな人間が居るから世の中が良くならない、という事は有る。 そして、法律などはみんな、アホな人間に合わせて作られている、という事も有る。 例えば殺人罪など、そんなもん、普通は人なんて殺さないのだから 本来なら必要の無いハズの法律なのだろうと思う。 だから国民がもっと優秀になれればそのほうが良いはずだ。 けれどこれは実際にやるのはとても難しい事だ。 だから思っても口に出しては言わない。 いつも通勤時に使う新宿駅のエスカレーター。 その時間帯だけ速度が速く設定されている。 乗って、いつもこのくらいの速度で動けば良いのだけどなあ、と思う。 通常時の速度があまりにも遅いと感じるのだ。 いつもこれくらい速ければ色々と効率も良くなるだろうに、と思うものの、 実際には年寄りなどが居るから無理な話なのだ、という事になる。 正直に何でもズケズケと言う人が居るというのは、一面ではとても有難い事だと思う。 石原慎太郎さんなんかはそんな感じだった。 そして、言わんとする事は良く理解出来た。 ただし、彼にはアンチがたくさん居て、言葉の端々を捕らえて批判される事も多かった。 自分も石原さんの発言には概ね同意したけれど、なかには 「何もそこまで言わなくても良いものを」と思う事も有った。 こういう様な事を考えて見ると、生身の人間が喋る時には、つい言ってしまう、 という事も有るだろうし、そして言いたい事の本質は何処に有るか、 という事まで考えて聞く必要が有るという事でも有る。 なので、言った本人の責任と、聞いた人の責任と、半々なのだろう。 今回の百田さんの発言を「30歳を過ぎたら子宮摘出をするべきだ、と言った」と 報道するのは悪意の有る揚げ足取りだと思うし、 「百田は子宮摘出しろと言った!」と大騒ぎする人の頭の悪さ、 という事も強く感じるのだ。 同時に百田さんのほうも余計な事まで言ってしまった、という事でも有る。 以前、「女性は子供を産む機械」だと言った、と大騒ぎになった事が有った。 あのニュースを見て思った事は、 聞く側やそれを報道する人間たちの悪意を特に感じたものだった。 これは出生率などの話をしていた中での発言だった。 そして発言者は、 女性を子供を産む機械だと仮定すると、 いや、機械な んて言ってごめんなさいね、 これは統計の話なので、ごめんなさいね、 と前置きをした上で話をしていた。 統計の話なので、女性が何人産むとどうなる、という話だから、 機械的に計算してみるのはかなり当たり前の話だと思う。 それを「女性は子供を産む機械だと言った!」と言って騒ぐのは悪意が有り過ぎだし、 もしかしてアホなんではないかと思うのだ。 なので、舌禍には、言った人の責任と、聞いた人の責任が有るのだろう。 良く話の中で「絶対」と言う事が有る。 これ、絶対いいよね、とか。 これを取り上げて、お前は絶対と言った、絶対と言ったからには例外は認めない、 などと食って掛かるのはアホな事だろう。 そういう子供じみた変な批判というものもたくさん有るのだ。 また、比喩として話した事の言葉尻を捕らえて批判する様な事もアホな事だと思う。 さらに、文学的表現として言った事を理解しないというアホさも有る。 こういう事には、国語力の低さ、とか、アホさ、という事を感じざるを得ない。 なので、聞く側の責任というのはかなり大きいのではないだろうか。 「ケーキを切れない非行少年たち」という本を読んだ事が有るだろうか。 この本で「境界知能」について触れている。 世の中には実際にそういう人も居るのだ。 これは現実の問題なのだ。 人の話を聞いて揚げ足取りをする様な人を見ると、 ちょっと「境界知能」という言葉が頭をよぎるのは正直なところだ。 学校のクラスや会社などに1人くらい、「すぐ怒っちゃう奴」が居たりする。 みんなが同意している事に反対して烈火のごとく怒ってしまう様な人だ。 そしてそれを迷惑な奴だと思ったりもする。 けれど、その人が怒った事で、みんながはっとして何かに気が付く という事も良く有る事だ。 怒ってくれて有意義だったという事も有る、という事だ。 という事で、人の話を聞く時は基本的には好意的に意をくんで聞くのが大事だと思う。 彼はこう言っているけれど、要するにこういう事が言いたいのだろう、 という聞き方をしないと話が前に進まないだろうと思う。 概ね好意的に話を聞いて、その中でもここだけは違うと思う事があれば批判をすれば良い。 百田尚樹さんはそこらへんの高学歴と違ってきっちりと教養が有る人だ。 その考えは殆ど同意する事が多い。 ただ、まるで子供の様に言わんでも良い事までべらべら喋るのは もうちょっと抑制したほうが良いとは思います。 自分は、女性が子供を産めるのは実際には35歳くらいまで、 という事はあまり意識した事が無かった。 そして、高齢出産のリスクについてもあまり考えた事が無かった。 それを知って見ると改めて、少子化というのは本当に難しい問題だと思う。 夫婦二人で子供を1人生んでも人口はマイナス1になってしまう。 二人産んでもゼロ。3人産まないと人口は増えないのだ。 そしてそれが女性が35歳までにやらなければならない、 というのは実に大変な問題だと、改めて認識しました。
![]() どうでもいい人々 慮って聞く まずは好意的に聞きたいと思う 自分は正常か ケーキの切れない非行少年たち 人間には欠陥が有る |
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