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令和5年9月20日 机上の空論と現場感覚 縦割りと学閥 |
有る役所で何らかの為の用地が無いのでどうするか役人が会議を開いていました。 土地が足りない、じゃあ埋め立てて土地を作ってしまえ、 近くに山が有るから山を削ってその土で埋め立てよう、 すごい、素晴らしいアイデアだ、 と思うでしょうか。 そこまでが「机上の空論」というやつです。 実際にやるとどうでしょうか。 広い海を埋め立てる為に必要な土の量とは一体どれくらい有るのでしょう。 10tダンプが何往復するのでしょうか。 山という大きなものに対して、あのデカい10tダンプはなんと小さいものなのでしょうか。 それが何十台も、何百往復もする為には、ユンボでダンプに土を積む場所が必要で、 山からベルトコンベヤーで土を運ぶ必要も有り、 道路も必要で、一体何日、一体幾らかかるのでしょうか。 この辺は実際に工事現場で働いた事が無いと感覚的に解らないものです。 自分は昔工事現場で働いていたことが有るので、ある程度の現場感覚が有ります。 えらい大変な工事です。 でも、机上の空論だと、 砂場で作った山を手でざざーっと崩して穴に流し込む程度の感覚しか無いのですね。 なので、なんでもかんでもお役人に任せていてはどうにもなりません。 戦時中、工場でゼロ戦を作って、その後どうしていたかというと、 なんと、牛車でゼロ戦を一昼夜以上かけて飛行場まで運んでいました。 工場の側に飛行場が無かった、トラックで運ぶと振動で壊れてしまう、 などの理由で牛車で運んでいたのです。 じゃあ工場の側に飛行場を作ればいいじゃないか、とか、 振動が少ない様に舗装された道路を作れば良いじゃないか、 とか思ってしまいますが、実際にはすぐ出来る事ではなかったのです。 日本は個人の土地所有権の権利が強く、道路1本作るのにも 何十年もかかってしまう場合が有ります。 良く、政府のやる事に文句を言う事が有りますが、 実際には難しい問題が色々有る場合も多い様です。 なんでさっさとやらないんだ、と文句を言って見て、よくよく事情を聴くと、 なるほど、それは困ったね、と思う様な事はたくさん有ります。 また、それとは逆の事も多く有ります。 例えば、中国が尖閣にどんどん軍艦仕様の海警の船を侵入させて来ている今、 海保の巡視船では対応しきれなくなっているという現状が有ります。 鋼板が薄く速度も遅く武器も少ない海保の巡視船ではなく、 退役した自衛艦を白く塗って海保の巡視船にすればいいじゃないか、 という意見が有ります。 すると、 それはね、出来ないんですよ と役人たちは言います。 出来ない事を自慢げに言う人まで居ます。 事情も分からないシロウトが何を言っているんだ、という感じです。 海保と海自では仕様が全然違っていて、エンジン自体が違うので、 燃料補給などで不都合が有る、などという理由を挙げます。 じゃあエンジンを共通にしたり、基地を共同使用したりすればいいじゃないか、 と思うと、今度は、 海保は国交省所管、海自は防衛省所管、という縦割りの問題を出してきます。 役所ではこうなっているんだから、そんな事言ったって出来ないんですよ、 と言うのです。 役所ではこういう事になっているから出来ないんですよ、と自慢げに言う役人を見ると、 そんなもん、必要ならやれよ、という話です。 でも役所が違うともう絶対譲りたくないみたいな話になってしまいます。 役所内でも学閥みたいなものが有って、あいつが出世する話だから反対、 みたいな事をやっています。 と言う訳で、色々と難しい問題が有る場合も有るし、 そんなもん、必要なんだから制度を変えてやれよ、という話も有ります。 なので、政府や役人を批判する時はちょっと勉強してからにしないとなりませんね。 そうは言っても、やっぱり下らない理由でやらない場合も多い様に思います。 戦時中、海軍と陸軍が対立して、お互い協力して戦わなければならないのに、 縦割りの対抗意識で全く協力せず、武器の仕様も違っていて、 その為に戦争遂行に大きな支障をきたした、という事が有りました。 国益ではなく、省益をゆうせんしてしまう官僚たち。 これは今の世の中でも全然変わって居ない様です。 日本の国がなかなか良くならないのは、やっぱり官僚という人たちのせいでは無いか、 と、どうしても思ってしまいます。 ![]() おまわりさん するべきことをして欲しい 極楽とんぼ ぼんやり仕事をする人々 お百姓さんありがとう 国を支えるのは誰なのか 利権に群がる 「仕事が出来る」の勘違い |
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