令和5年7月22日 バカ扱いがバカを生む 現場感覚の無い指導者たち |
例えば、紙の文書を見てパソコンに入力する作業をするとか、 パソコンで帳簿をつけるとか、 そういう単純作業をするのだったら、 実際に身体を動かして作業をする仕事の方がストレスが少ないと思う。 また、一見単純労働に見えない仕事でも、毎日同じ事の繰り返しをしているのなら、 作業着を着て現場に行って実際に身体を動かしたほうが良いだろうと思う。 自分が経験した事が有るブルーカラーの仕事は、 トラック運ちゃん、潜水夫、ルート営業などだった。 トラックドライバーには色々種類が有って、宅配便みたいな仕事、 問屋から小売店に配送する仕事などが多かった。 自分でトラックを買って毎日色々な仕事をした事も有った。 建設現場からゴミを引き受けて処理場まで運ぶ仕事とか、 配送の下請けとか、、、。 トラックの運転席は自分の城の様な感じだった。 運転していると、とても落ち着く。 佐川急便に居た時は、昔だったので配達も集荷も営業も集金も全部1人でやったものだった。 荷物量が多い時期だと、夜の集荷が終わって営業所に帰り、荷物を降ろすともう、 地方からの長距離便が到着して、荷下ろしが始まり、 それが終わるともう朝の配達時間になっていて、寝る暇が無かった、なんて事も有った。 ただ、あの頃の佐川急便はすごーく給料が高かった。 創業者の佐川清さんが亡くなってから、会社は随分変わってしまった様だ。 潜水夫の仕事は色々でとても面白かった。 殆どが工事の仕事で、東京湾の中央防波堤の仕事とか、発電所の温排水のメンテとか、 川での工事やら下水道の中の工事やら、大型船の船底掃除の仕事など、 色々な現場で働いた。 たまに海洋調査の仕事が有り、これぞダイバーって感じの、 綺麗な海で生物を撮影したりする仕事も有った。 時々、死体捜索の仕事も有った。 若い自分にとって、とても色々な経験が出来て、色々と勉強になったものだった。 ルート営業の仕事はスーパーを回って、商品を納入し、自分で売り場に陳列する仕事だった。 色々なスーパーを回って、なるべく良く売れる様に商品を陳列し、新製品をバイヤーさんに営業したりした。 時間が押してしまうと、あそこの店長はうるさいからあそこを先に行こう、とか、 順番を変えて焦りまくって回ったりもした。 現場に出る仕事をしていると、実に色々な人に出会い、 世の中の色々な面を見る事が出来たと思う。 9時から5時までパソコン入力をしているくらいなら、現場に出る仕事をしたほうが、 ずっと楽しいし、自分の経験になるのではないだろうか。 そんな訳で、勉強があまり好きじゃない若者は、無理にヘンな大学に行くくらいなら、 ブルーカラーの仕事も視野に入れたらどうかと思う。 高卒でそういう仕事につけば、22歳にはもうベテランになっている。 自分はずっと作業着を着る仕事をしていたけれど、 酒と博打と女が大好きという訳ではなかった。 本を読むのが好きで、酒も飲まなかった。 作業着を着ていても、そういう人もたくさん居る。 10代後半の頃はウェイターなどの店員の仕事も良くやった。 あれはあれで独特な世界で、色々な人が居て、 作家志望の様な人から文学の話をたくさん聞いたりもしたし、 仕事でテキパキと動く事を覚えた。 テーブルに注文を取りに行く、帰り道に空いた食器を下げて来る、 食事をテーブルに運んだ帰り道に下げ物をし、お水を配る。 急ぐけれど雑にならない様に、なおかつ素早く効率的に動く、 という事を覚えたと思う。 本当に人間として良い修行になる仕事だと思う。 ブルーカラーの仕事をやりたがらないのは、知らないからだと思う。 学校の先生も、議員や役人もみんな背広を着て仕事をしていて、 全く作業着を着る仕事の事を知らなすぎる。 だから子供たちも自然とスーツを着る仕事しか頭に浮かばなくなる。 その良く知らない人達が現場を変えてきた。 レストランのウェイターの仕事はマニュアル化され、 建設現場などの仕事は安全の為に非常に単調になってしまった。 トラックは高速道路で80キロしか出せないというのは、 運転していた人間の感覚として、かなり違和感が有る。 積載量などによって安全な速度は違うものだ。 空荷の2t車なら安定が悪い、満載した大型車なら制動に難が有る、 けれど半分くらい積載している状態だと非常に安定していて、 80キロじゃ遅くてやってられない。 安全や労働基準の為に仕事を細分化してしまって、 やりがいというものを無くしてしまった。 みなさん道を歩いていて、工事をしている所で交通整理をしている人を 見た事が有ると思います。 高齢者などがアルバイトをしているのだけれど、こんな小さな現場に なんであんなに整理員が居るのだ、というのを見た事は無いでしょうか。 こういうものも、現場で働いた事も無い背広を着た人たちが決めてしまう。 安全の為とは言うものの、実際には大幅に効率を下げ、 大幅にコストを上げてしまっている上に、 現場の人達のやりがいまで奪ってしまっている。 どんどん細分化し、マニュアル化する事で、働く人の質も同時に下げてしまった。 そういう事を決めるのはいつも、スーツを着た人たちだ。 現場仕事をどんどんつまらなくしてしまっている。 現場の安全というものはマニュアルを作るだけでは達成しない。 本人たちの技量が無ければならない。 技量も無くマニュアルだけにすると、やりがいを奪い、効率を悪くし、 コストを上げ、仕事をつまらなくしてしまう。 昔はひとつの職場に長く勤め、親方や先輩から技量を習い、 現実的な指導を受ける事ができ、自然と先輩を尊敬する様になり、 長く勤めるから生活も安定して結婚して子供を作る気持ちにもなった。 現在、世の中は人材派遣などと称して労働者をモノの様に扱い、 こいつらはバカだからと、マニュアル通りに働かせ、 さらに労働の流動化などと言っている。 人口減も少子化も賃金が上がらないのも、みんな、 この頭の悪い背広組のせいではないだろうか。 現場が解らない人は政治家だろうと官僚だろうと、社長だろうと部長だろうと、 まともな仕事は出来ないと思う。 浮世離れしてしまってはまともに仕事など出来るはずはない。 そして世の中の多くの人が思っている事、 それは、作業着を着て仕事をしている人間はダメな人間だからそういう仕事しか出来ないのだ、 という偏見。 勉強が嫌いだからブルーカラーになる、というパターンは多いと思う。 だから、ブルーカラーの人達はもっと本を読んだり勉強をしたりしたほうが良い。 人間性という点では、背広を着ている人達より遥かに優れた人がたくさん居るのだ。 この人たちがもう少し勉強すれば、背広組よりも優位に立つ事が出来る様になるだろう。 さらにそういう人達、現場感覚を持っている人たちがリーダーになれば、 机上の空論ではない正しい道筋を描けるのではないだろうか。 また、大学に行って官僚になる様な人たちも、 若い頃に店員や作業員の仕事を経験するべきだと思う。 これから自分で起業したい若い人も、まずは世の中を見て回るという意味でも、 現場に出て身体を動かす仕事からしてみてはどうだろうか。 そして、高校を卒業する若者は、選択肢の中に作業着を着る仕事も排除しない事をお勧めしたい。 昭和33年、東京タワー建設の写真です 誰も命綱をつけていない、 これが良いという訳ではないが、技量が有るからこその安全でもある 人類はなぜ進歩しないのか 経験不足 大学不要 790校も要らねえ 転職を考えている人 どちらにも良い所が有る 国をダメにするリーダーたち 受験勉強の弊害 水中土方の四季 |
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