Zipang
      じいさんから聞く 日本のこと
 

 

民主主義の世の中なのになぜ日本に天皇がいるのか     



なぜ日本に天皇が居るのか、ではなく、天皇が居るから日本なのです。
そもそも日本の考え方は、西欧とは根本的に違います。

対立を基本に考えてはいません。
搾取しようとする権力と搾取される市民が対立するので権力と市民が契約を結ぶという考え方とは違います。

1500年前に出来た日本で最初の憲法には第1条に「和を以て貴しとなす」と書かれています。
対立ではなく、協調するのが基本になっています。

そんな日本の考え方を良く表しているエピソードが有ります。
史実かどうかは解りませんが、そういう話が残っていて、それが考え方を良く表していると思います。
それは「民のかまど」という話です。

第16代の、仁徳天皇が有る日の夕方、宮殿から眺めてみると、民のかまどから炊煙が上がっていない事に気付きます。
民は貧しくて夕食の支度もできないのか、と天皇はむこう3年間、税金を免除することを決めます。


3年経ってから天皇がふたたび町を眺めると、盛んに炊煙が上がっています。
天皇は、これで私は豊かになったと言いました。
それを聞いた皇后は、どうしてこれが豊かだと言えるのでしょう。
宮殿が壊れても修理もせず、屋根に穴が開き、雨もりをしています。そして着ている衣服は穴だらけです。
すると天皇は民が豊かになる事が私の喜びなのだから、私は豊かになったのだと言いました。


そして天皇は、さらにあと3年間税金を免除することを決めます。
それを聞いた民衆は怒り狂い、手に手に材木を持って宮殿に押し掛けました。
そして、どうなったか解りますか?
天皇を暗殺した?
どうして暗殺するんですか。
日本の考え方は対立ではないと言いました。

民衆は宮殿に押し掛け、持ってきた材木で宮殿を新しく建て替えていったのでした。

 

英語でEmperorと言うけれど、日本語では天皇と言います。

Emperorを日本語に訳すと皇帝になります。

天皇と皇帝は違います。

まあ簡単に、かなり乱暴に言うと、天皇はローマ法王みたいなものです。

 

 
 
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