かわいひでとし日記


 

2017.07.08        より深く、より遠く、より強く 

                                              武道と男子新体操


外国人が男子新体操について、「武道の影響を受けている」という様な事を言う事が有る。

ぬぁーにを言っとるんだか、

なんでもかんでも〇〇サムライとか、スシボンバーとか言うのと同じノリなんでねえの?

みたいに思ってしまったりするのだけれど、、、、、。




我々が思う「美しい徒手体操」とはなんなのか、よくよく考えてみると、

もしかしたら武道と関係が有るのかもしれないと思うのだ。


美しい徒手とは何だろう。

より深く、より遠く、より強く、より柔らかく、

緩は緩として、急は急として、なおかつ指先、つま先にまで意識を向けて、

形や速度をコントロールされた動き、停止、静止を、正しい姿勢で行うこと。


なのではないだろうか。


全部見なくても良いので、ちょっとこれを見てみてください。

https://youtu.be/hRX-x43sOt8?t=182


居合道や、抜刀道などの古武道には、こういう美しさが有るのだけれど、

これは「美しい徒手体操」と非常に共通するものが有るのではないだろうか。


だから武道の影響を受けている、と言っても間違っていない、

というより、正しいのではないのだろうか、、、、。


では、こういう種類の美しさは外国には無いのだろうか、、、。

そんな事はないだろうが、それでも日本という国で行われている武道と新体操は、

ひとつの直線の上に並んでいるのかもしれない。


ところで、「徒手」という言葉だけれど、

WikipediaのMen's rhythmic gymnastics

には、こう書かれている。

movements called "Toshu" (literally means "bare handed").
「Toshu」と呼ばれる動き(文字通り「素手」を意味する)。

徒手に相当する英語が無いのだろうか、、、。


いや、一応色々有るみたいだ。

calisthenics

empty hand 

gymnastic exercises without using apparatus

free standing exercises

などになるらしい、、、、。


ただ、我々が思う「美しい徒手」というのは、

単に手ぶらでやる体操というわけでもなく、

おっさんがやるラジオ体操というわけでもなく、

より深く、より遠く、より強く、より柔らかく、

緩は緩として、急は急として、なおかつ指先、つま先にまで意識を向けて、

形や速度をコントロールされた動き、停止、静止を、正しい姿勢で行うこと。


なのではないのか。

徒手という単語に付随するプラスアルファのニュアンスには、

武道の様な美しさが含まれている様な気がするのだ。


武道の様な美しい動き、という概念が、外国には全く無いとはいわないけれど、

かなり日本的なものなのかもしれない、と思うのだ。


そう思う理由は20年くらい前に「競技エアロビクス」をやっていた時に感じたものだった。


日本エアロビックフィットネス協会(JAFA)



アメリカエアロビックフィットネス協会(AFAA)

など、複数の協会が有って、

それぞれエアロビクスのインストラクターの養成や、競技会を行っていた。

さらに、日本エアロビック連盟という所も有って、そこでも競技会を行っていた。



自分は、JAFAが好きだったのだった。

それは、「正しい体操」をする事に主眼が置かれている様な印象を持っていたからだった。

JAFAの大会では、美しい動き、正しい体操をする事が評価される様な感じがしていた。

けれど、外国の協会の競技会では、難度の高いジャンプなどを評価される印象が有ったのだった。

結局、今、競技エアロの国際大会をしているのは、日本エアロビック連盟で、

自分たちがやっていた昔の競技エアロとは随分毛色が違ってしまっている。

あんまりちゃんと体操をしていないのだ、、、、。




これは単なる個人的な印象でしかないのだけれど、

「日本から出て海外でもやるようになると、体操が減る」

のではないのか、という疑念を持っている。

もし男子新体操が国際化したら、団体の規定からバランスと柔軟が無くなり、

タンブリングのC難度をいくつ、D難度をいくつ入れなければならない、

組運動を入れなければならない、という様に変化して、

「美しい徒手」がどんどん減っていってしまうのではないだろうか、

と、自分で勝手に想像して心配しているのだ。



もしかしたら、「美しい徒手」というのは日本人の考える概念で、

あまり海外では重要視されないのではないか、、、、。

団体での一致性などには目を向けてくれるかもしれないけれど、

武道の様な美しさを残していけるのだろうか、、、、、、。


より深く、より遠く、より強く、より柔らかく、

緩は緩として、急は急として、

なおかつ指先、つま先にまで意識を向けて、

形や速度をコントロールされた動き、停止、静止を、正しい姿勢で行う、

武道の影響を受けた美しい徒手体操を守りたい、

と、思うのでありました。

 

 
 


 

 


 


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