2016.05.31 8月の朝
戦争の記憶
71年前の晴れ渡った朝、死が空から降ってきて、世界は変わった。
夏の晴れた朝、今日も暑くなるな、という8月の朝は、
すぐに戦争の事を思い出す。
色々な本やドラマで見たり、年長者から聞いた光景がすぐ思い出される。
あるドラマでは、その日は結婚式が有る筈の朝だった。
前の晩、夜中に空襲警報が2度も出て殆ど寝ていなかった人たちが多かった。
じゃあ、今日の夕方にね、と、約束をして家を出た少女がいた。
まるで自分がその場にいたかのように、その朝の事を「覚えている」。
オバマさんの広島演説には、文学的な意味で、とても感動してしまった。
あの、誠実そうな容姿と、ゆっくりと真摯な話し方で、
さらに感動が増幅した様に思った。
あの演説も、大統領副補佐官でスピーチライターのジョン・ローズという人が
書いたのだそうだけれど、ひとつの文学作品だなあと思ったのだった。
謝罪は無く(殆どの人が謝罪は求めていないし、自分もそう思う)、
具体的な核兵器削減の方策なども無い演説だったけれど、感動が広がったようだった。
以前の日記にも書いたのだけれど、自分は太平洋戦争についての本を
ずいぶんたくさん読んだものだから、
あの時の事を、まるで自分が体験したかの様に良く「覚えてい」るのだ。
8月6日の朝と、8月15日の朝。
今日も暑くなりそうな、晴れた夏の朝。
こういう映像が自分の中に有るのと無いのとでは、
なるほど随分違うものだと思う。
あの朝の記憶が有るから、まるでオバマさんが、
あの朝の事を思い出しながら語っている様に感じられたのだった。
あの朝の光景を覚えているだけで、苦い後悔の気持ちが持てる様な気がする。
戦争の記憶
Seventy-one years ago, on a bright cloudless morning,
death fell from
the sky and the world was changed.
A flash of light and a wall of fire
destroyed a city and demonstrated that mankind possessed the means to
destroy itself.
71年前、明るく、雲一つない晴れ渡った朝、死が空から降り、世界が変わってしまいました。
閃光と炎の壁が都市を破壊し、人類が自らを破滅させる手段を手にしたことを示したのです。
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