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令和6年10月2日 卑怯な人々 人の道 |
子供のころから「男は卑怯な事をしてはいけない」と言われて来た。 さて、それはどういう事だろうか。 道を歩いていたら財布が落ちていた。拾って中を見るとたくさん金が入っている。 周りを見渡すと誰も居ない。 丁度金に困っている時だった。 財布の中のこれだけあれば助かる、と思ったりする。 けれど、誰も見ていないけれど、カネは欲しいけれど、 でも、ネコババしない、というのが男らしい人間だ、 という風に思って来た。 さて、これは正しいのかアホなのか、、、。 回りで誰も見ていないんだろ? じゃあそんなもん貰っておけばいいんだよ、 何が卑怯な事はしない、だよ、アホか。 世の中なんてそんなものなんだよ、自分の運なんだから貰っとけばいいんだ。 それが大人ってものだ。 という感じでしょうか。 でも、 このたとえ話を世の中で生きている間に起こる色々な事に当てはめて考えて見ると、 どうだろうか。 それをやったら他人を裏切る事になる、とか、祖国を裏切る事になる、とか、 そう思う事でも、ラッキーなんだから貰っておけばいいんだよ、と思うのかどうか。 こういう話は政治家が賄賂を貰って売国奴になる、みたいな事で語られる事が多いけれど、 政治家でなくても、普通に企業に勤めているサラリーマンであっても、 卑怯な事をしたほうが良いのか悪いのかという分かれ目は多々あると思う。 昔良く有ったのだけれど、でかでかと大きな文字でメリットを書いておいて、 虫眼鏡で見ないと解らないほど小さい文字で但し書きが書いて有る広告、 なんてものが良く有ったものだった。 そういうのを見て、非常に正義感の強い自分は、 なんという卑怯な事をするのだ、人の道を外れている、とんでもない、 心が腐っている、と、いつも思うのだった。 昨日、ニュースで見たのだけれど、ゴキブリ駆除をする会社が、 ネットで「550円から」と書いて客を集め、結局なんだかんだと言って、 10万、20万を請求する、という事をやって摘発された、との事だった。 騙される方もアホと言えばアホなのだが、けれど、 なんという卑怯な商売をするのだろうか。 現場で客に対応している社員はあーだこーだと色々なトークをして、 客を不安にさせ、そこでぐいぐい押して契約させ、20万円を売り上げる。 この時のその社員の心の内はどんなだろうか。 よし、やった、もう一息だ、もっと押せ、よっしゃー、やったぜ、 という感じなのだろうか。 きっとそうなのだろうと思う。 結局、最初の小さな1歩を踏み出してしまうと、どんどん卑怯な事になってゆく。 これは仕事をしている日常にたくさん溢れている事だ。 小さい事でも大きい事でも、やっぱりその人の心の持ち方が表れてしまう。 普段から小さい事でも卑怯な事はしない、と思っていないと、 他人を裏切ったり会社や国を裏切ったりする大きな事でもやってしまうのだろうと思う。 財布を拾ってもネコババしない気持ちを持っている人と持っていない人では、 色々な場面で卑怯な事をするかしないかが分かれるのだろうと思う。 そして、一度やりだすとどんどん感覚が麻痺していって、 どんどん平気で酷い事をする様になってしまう。 そういう人は顔や目つきに表れるものだし、真心で他人と付き合う事も出来なくなってしまう。 みんなで食事をして割り勘で会計をする時になるとトイレに行く奴が居る、 なんて話を聞いた事が有るが、そういう風になってしまうと、 自分では得をしたと思っていても、実は他人から嫌われる事にも気が付かない様になってしまう。 なので、ほんの小さな事でも人の道に外れていると思う事はやらない様にしていないと、 どんどん顔つきが悪くなり、目つきが悪くなり、とんでもない事でも平気でやる様になってしまう。 ビジネスとは相手を蹴散らす事なのか、 多少儲けが少なくなっても他人に嫌われない様にやるのが良いのか、 仕事上でそういう場面は多々あると思う。 その時にどう判断するのかは、やっぱり心の底に有る良心が モノを言ってくるのだろうと思う。 普段のほんのつまらない事、例えば、レジで並んでいて 店員の誘導などで自分より先に並んでいた人が後になってしまった、 という様な時、あなたのほうが先に並んでいましたよね、お先にどうぞ、 と自然と言える人間でいたいものだと思うのだ。 と、こんな事を思ったのは、自民党の総裁選挙を見ていたからだった。 自分の思想信条とか、国を良くする為とか、そういう事よりも、 私利私欲の方が上回ってしまっているからこうなるのだ、と思うのだ。 政策や政治信条を見れば、この人に投票したほうが国にとっては良いだろうと思っても、 自分が次の選挙で当選出来ないとなれば、反対の人に投票する行動をとってしまう。 そうは言っても、議員をやっていると次の選挙で当選できるかどうかは最重要課題だろう。 議員でなくなってしまえば自分の政策を進める事も出来なくなってしまうのだ。 また、選挙に金がかかって借金を負っていたり、金が足りなくて困って居たりすれば なおさら次の選挙で当選しなければならない。 だから恩義ある人を裏切る事になっても、これはもう仕方が無い、という感じなのだろう。 けれどこれも、何年も続けているとどんどん良心の部分が欠落していって、 狡い事をするのが当たり前になってしまうのだと思う。 結局、感覚が麻痺してしまう、という事が一番恐ろしいのだ。 だからこそ、ほんの小さな出来事、誰も見ていない所で財布を拾った時にどうするか、 これが本人にとって人生の分かれ道でもあるのだと思う。 人に嫌われてでも金を稼ぐよりも、 貧乏でも、人に好かれて楽しく幸せに暮らす方がずっと良いと思うのだ。 そういう自分は貧乏人だ。けれど、毎日楽しく暮らせているので、 本当にカネなんて無くてもいいんだ、と実感をしている。 昔、寅さんの映画で、「汗水たらして、油まみれになって働く」のが良いのだ、 なんて話をしていた事が有った。 自分の中の一番の基本にこの気持ちを持っているのは実は大切なのだと思う。 楽して儲けるのがスマートだという事になったとしても、 根底に誠実な気持ちが有るのと無いのとでは大きく違ってしまうだろうと思う。 ![]() テキトーな事をする人々 どうでも良い人々 便利な機能付き人間 要するに人間性の問題 独善 人間は社会の一員 |
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