かわいひでとし日記
思うこと、こころもち、脳内風景


2014.09.12    ざーーっとおっぺして行け

 


司馬遼太郎さんが兵隊に行っていた時の事を書いた本があった。


題名とかなんだったか忘れたが、ケッケッケッケ笑いながら読んだ記憶が有る。


そもそも司馬遼太郎さんが兵隊やってるというだけでギャグみたいな感じでおか

しかった。



司馬遼さんは戦車隊に所属していたのだそうだ。

戦車と聞いてすぐに思い浮かべる、大きくて重厚で、長い砲身が突き出したあの

戦車とは違って、当時の日本軍の戦車はおもちゃの様なものだった。


ちょうど軽自動車くらいの大きさで、突き出した砲身も短く、甲板も薄い。

相手の弾が当たったらイチコロなのだそうだ。



戦車隊は埼玉だったか栃木だったかに有り、東京湾から米軍が上陸してきたらす

ぐに東京方面に向かうことになっていた。


しかし、米軍が上陸したら、東京から大量の避難民が北上して来る事が予想され、

戦車隊が進めなくなってしまう、という議題が出た時、上官が言った言葉が、



「そんなものは全部おっぺして行け!」



いや、おっぺして行けとは書いてなかったと思うが、全部轢き殺して行け、だったか。


その人達を守る為に戦っているのかと思ったら、そうではないらしい、

という皮 肉が書かれていた。



なんだか、脱力系のギャグを読んでいるようで、

おかしくてたまらなかったのを覚えている。





話の内容は逆になるが、これで思うのは震災復興のことだ。




震災後、3年半になるのに、未だに24万人が避難生活を送っている、

という記事があった。

福島の放射能だけはなんともしがたいだろうが、

そうでない場所については遅すぎる。


もちろん、ただ復興するだけでなく、高台移転とか土地のかさ上げとか、

大変な事も解るけれど、震災直後の復興作業の映像を見てちょっと驚いたのだ。


整然と瓦礫をきれーーーに分別して片づけている。

そんな事やってるから遅いんじゃねえか、と思った。


ちょっと乱暴で、強力なリーダーがいたら、


「そんなもん、分別なんかしていねえで全部まとめておっぺせ!」


と号令をかけるだろうに、、と思った。

ご遺体が無い事だけ確認したらどんどんおっぺしていって片づけてれば、

もっともっと早く作業が進んだだろうと、、、思ったんですよね。


ちょっと前までゴミなど分別せず、どんどん東京湾に放り込んでいたんだから、

非常事態ならそれなりに、急いでやらなければならないと思うのだが。


こういう事は役人ではできない。ちょっと乱暴でも強いリーダーがいないと。



政治家がみんな小さくまとまってしまったという事は良く言われる。

だとすれば、近い将来、世界中の政治家で、戦争する度胸が有る人はひとりも居

なくなってしまうだろう。


だから良いのかもしれないけれど、大災害、非常事態にちょっと強引にでも

進める人がいないと困るな、と思う。

明治の政治家のように、俺が責任をとるから、やれ、という人がいてもいいんじゃないかなあ。



避難生活をしている人がたくさん居ると思ったら、

とにかく急いで昼夜の別なく作業を進めずにはいられなくなるのが

人の道というものではないのだろうか。


まさか週休2日でやっているんじゃないだろうな。

9時から5時までしかやらないのではないだろうな、と思う。

避難して難儀している人が居るのに。



なんの為にやっているのか。

役所の縄張り、役人の地位保全、政治家の責任回避の為にやっていないのかどうか。


とにかく「何はさておき」急いで欲しいと思う。

 

ところで、「おっぺす」というのはどこの方言だろう。

端からざーーーーっと押し倒していく、というイメージ。

東京でも良く使っていたが、たぶん北関東の方言だと思う。

 

追記

関東大震災のとき、帝都復興院総裁に就任した後藤新平は、

休日返上、徹夜の連続で、コンピュータの無い時代に、復興案を2ヶ月半でまとめた。

しかし、巨額な費用を要する計画は国会の反対にあい、計画を縮小したが、

地主から無償で土地を提供して貰っての区画整理を行った。



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